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概要

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教師っ?MMU教員の頭の中KYO-SHiPMMUの教員が、講義では垣間見られない「頭の中」を語りますTheme1「今の専門に進むきっかけ」僕は元々フランス文学を学びたかったんですよ。が、人生色々ありまして、経営学部に進むことに…。その大学で研究室を選ぶ時に、インダストリアル・エンジニアリング、つまり経営工学という分野を選択したことが今の専門に進んだきっかけでしょうね。これは経営学の中でも工学的色彩の強いもので、物を安定して作る方法とか不良率を下げる方法を学ぶ学問なんです。そこで色々学んでいくうちに、「経営工学って面白いな」って思い始めたんですよ。その頃は技術士等の資格をとってコンサルタントをやろうと考えていましたが、それなら大学院まで行ったほうがいいだろうと勧められ、修士課程に進むことを決心したんです。ちょうどその頃、インターネットが日本で商業利用され始めました。その存在を知る人がほとんどいないなか、たまたま通っていた大学には導入されることになって、私も興味本位で自分の研究資料とかを集めてたんですよ。そしたらまたもや「これは面白いな」と。そのあたりから、経営工学の中でも情報分野、特に品質管理の方に興味が移り、その知識を深めるために理系の要素がどんどん必要となってしまった訳です。元々文系だった僕は、数学Ⅲなんて習ってなかったもんだから、研究と並行して必死に勉強しましたよ。Theme2「情報デザインとは」僕の専門科目の「情報デザイン」とは、品質管理をベースに考えている「情報デザイン」なんです。ただ、一般的に品質管理って言うと、不良品が無いかとか、均一に作れるかってことを想像されるかと思うんですけど、僕はそれとはちょっと違う「利用品質」という分野を専門としています。利用品質とは、「物を作る時」ではなくて「物を使う時」の満足度、要するに製品が迷わず使えるかどうかという品質ですね。製品から発信される情報が何かしらおかしい場合、それが迷う原因となるわけです。だから情報を正しく分かりやすく形成する、それが受け手を迷わせないことにつながり、結果として利用品質が上がるというわけです。この考え方が広く様々なものに使えるというところが、この学問の楽しさであり、僕の好きなところなんですよ。Theme3「今の研究テーマ」今は、宮崎のバス路線図の製作と、自転車レーンに関する研究をメインでやっています。どちらも利用品質向上という観点からの研究です。宮崎の自転車レーンって危ないんですよ。誤った標識の情報や分かりにくい配置等によって、結果的にぶつかったり、転んだり等の事故が発生する原因となります。それらを正し、少しでも安全に走行できる自転車レーンを目指し研究を進めています。学部・修士課程の先生である甲斐章人先生からの影響もあって、生活に役立つ事を研究するのが一番面白いし、好きですね。身の周りにテーマはいっぱいあるので、「面白い」と思ったら書き留めます。Theme4「情報を伝えるコツ」分かりやすく情報を伝える為にはまず、客観的な視点を持つということですね。人間は、何らかの情報を得た時、それにある程度のバイアス、つまり固定観念や一種の偏りのようなものをかけてしまうんですよ。それをできるだけ無くすことが情報を正しく伝えたり、把握するコツです。また、子供のようなバイアスがあまりかからない人が、迷わず正しく使えるものであれば、情報も正しく伝わっているんだろうと思います。Theme5「学生に求める姿勢」勉強以外でも何でもいいので、指示待ち人間にだけはなってほしくないです。今の学生って一度も高度成長を体験せず、ずっとデフレの低成長のなかで生きているので、どこか縮こまってる感が気になりますね。厳しい社会に出て行く上で、人に頼る事はもちろん大切なんですけど、最終的には自分で決められるような人間になってほしいなと思います。それが失敗だったとしてもちゃんと周りの人は見てくれていますよね。助けてくれたりもしますし。だから授業中に最低限のことしか言わないようにしているんです。細かく指示しちゃうとみんな指示を待つようになっちゃうでしょ?あとは「自分で考えなさい」と。学生は僕の事をいい加減な奴だと思っているでしょうね(笑)。まぁ、私が学生に期待するものが少しでも伝わっていればいいなと思います。Theme Extra「忍者になりたかった」小学生の頃、忍者になりたかったんです。忍者になる本を買ってもらって本気で修行してましたね。例えば近所の犬を敵に見立てて夜攻撃しに行ったり、塀の上をダッシュでいかに速く走れるかトレーニングしていました。もちろん本気だったから生傷が絶えませんでしたよ(真剣)。7MMU SHiP vol.03Vol.02森部陽一郎情報デザインゼミ准教授1968年生まれ九州産業大学経営学部卒業、近畿大学大学院産業技術研究科経営工学専攻博士後期課程修了博士(工学)/1998年広島県広島女子商短期大学助手、1999年広島安芸女子大学専任講師を経て、2004年宮崎公立大学専任講師、2007年より現職■記事早川康輝(1年)