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概要

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今だからできる心の教育の実践?東日本大震災の教材化を通して?【一部抜粋・要約】長田小学校教諭竹森文洋教育研究論文Ⅰはじめに襲い来る津波、けたたましく鳴り響くサイレン、逃げ惑う人々、まるでおもちゃのように砕け散り押し流される家々。あたかも映画を見ているかのような、現実離れした恐ろしくも悲しい映像に、恐怖と底知れぬ悲しみを感じた平成23年3月11日。日本中が涙し、絶望のどん底に突き落とされた日であった。しかし、時がたつにつれ、この大震災の恐怖と悲しみがいつの間にか人々の心から薄れていきつつある。子どもたちはというと、なおさら他人事で、共感したり同情したりして思いを共有することができにくくなっている。そこに危機意識や切実感はなく、いつも傍観者的な立場を取る傾向が見られる。「東日本大震災を風化させてはいけない」。そんな思いが強くなる。このような児童に、東日本大震災を教材化し、震災の全貌を捉えさせるとともに、そこにある日本人の気高さや「生命尊重」「家族愛」「責任感」「ボランティアの精神」「協力」「助け合い」「礼儀」といったさまざまな教育的価値を学ばせることによって、児童の価値観を深め、人の痛みを感じ、行動することのできる子どもを育てたいと考え、本主題を設定し、研究に取り組むことにした。Ⅱ研究の実際1研究の基本的な考え方?研究に対する姿勢東日本大震災から学べる価値や人としての生き方、行動力は数え上げればきりがない。同じ写真、映像や文章を読んでも、人によって感じ方も違えば捉え方も違うので、そこから学べるものは多種多様である。それらたくさんの教育的価値のあるものの中から、あえて本学級の子どもたちに実感させたいことを、教師が資料として選び、教材化した。その際、道徳の授業として価値観を高めていくものと学級活動として実践力を高めていくもの、時にはどちらの要素も含んだものとして教科・領域の垣根を越えて、融合させながら教材化することとした。?研究期間本研究は、平成23年6月から平成24年3月までの1年間の実践であり、その半年後(中学1年生に進んでから)に研究成果を検証するという、足かけ1年6カ月にわたる研究である。?研究で目指す児童像?自他の生命を大切にし、力強く生きる児童?人の痛みがわかり、優しく親切にできる児童?集団や社会の中で、ルールやマナーを守って正しく生きる児童2東日本大震災の教材化東日本大震災から学べる教育的価値のあるものは数多くある。しかし、それらを教材化し、授業にしなければ、子どもたちに何も伝えることはできない。そこで、教材化の視点と工夫を考え、授業を構成することにした。?教材選定の視点1人としての生き方に共感できる教材(家族のために、誰かのために、困難の中にあっても)2児童の感性に訴える教材(恐怖、驚き、喜び、感動)3多様な価値観が引き出せる教材(生命尊重、家族愛、ボランティア精神、責任感、友情)?教材化の工夫1リアルで児童の興味・関心を引き出す視聴覚資料迫り来る津波の脅威(東日本大震災)10PublicRelations