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概要

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食の学習を通して、自らの生活を見つめ高める子どもの育成?のびのび食育実践事業の取り組みを通して?三股小学校栄養教諭宮﨑珠美Ⅰはじめにわたしは児童の「食」の実態把握に努め、食育授業・食育だよりの発行・学校保健員会などでの情報発信の取り組みを通して食育を推進してきた。児童の実態は、「偏食をしない」「朝食は大切である」など知識としては理解しているが、毎日の生活でその知識を生かして実践するという状況までには至っていない。また、本校6年生のアンケートから、「朝食は毎日食べる」と答えた児童は95ハ?ーセントであるが、その内容は、ごはん・おかず・汁物などがある食事ではなく、「おにぎりや菓子パン」など手軽に空腹を満たすだけのものが40ハ?ーセントを占めている。このほかにも、児童の食事に対する意識や態度など多くの改善すべき課題があった。このような中、本町が文部科学省・県教育委員会委託「のびのび食育実践事業」の研究指定を受けた。児童生徒の「食」に関する実践力を高めるためにはどのようにしたらよいかを考えながら、町内の各学校・家庭・地域と連携してさまざまな活動に取り組み、食育実践事業の研究を進めた。Ⅱ研究の実際1食育推進のための指導体制づくりまず町内全体で実践するため、行政・保護者・JA・農産物生産者など多様なメンバーで組織された食育推進検討委員会が設置された。次に各学校で食育担当者による実行委員会を立ち上げ、児童生徒の実態に合った活動や指導を検討する体制づくりができた。これらを通して、学校・保護者・地域へとネットワークが広がり、食育に必要な人材や地場産物などの情報が多方面から得られた。2食育授業の実施全小学校で、栄養教諭と学級担任のチームティーチング授業を実施。年間指導計画を立て、学年の発達段階に応じた内容で、学年で統一した題材で授業を実施した。栄養教諭が分かりやすい授業資料を準備し、専門的な内容について指導を行った。学級だよりなどで家庭へも連絡し、実践の定着を図った。3「弁当の日」の実践この取り組みは、児童生徒一人ひとりが、自分の「食」を選択し、調理するという、「食」に関する実践力を高める有効な手段であると考え実施した。作ってくださる方や食べ物に対する感謝の気持ちをはぐくむことや、家族間のコミュニケーションが増すなどの2次的な効果も期待した。実施するにあたり、「弁当の日」への理解を深めるため保護者や教職員を対象に、提唱者である竹下和男先生の講演会を開催。講演後、参加者は「弁当の日」実施への意欲が高まった。全校で、年度内に2回実施した。(1)学年のめあて児童生徒の発達段階に応じて、「弁当の日」の目標を決めた。?1・2・3年生…自分でおにぎりを作る?4年生…自分で卵焼き、またはゆで卵を作る?5年生…自分でおかずを一つ作る?6年生…自分で全部作る(材料の準備も含めて)?中学生…自分で全部作る(材料の準備も含めて)(2)「弁当の日」実施に向けての取り組みア給食時間に「おにぎり作り」と「弁当箱につめよう」6~10月まで月1回、それぞれ4回実施した。全児童生徒が、給食時間に「おにぎり」を作って食べた。皆いろいろな形のおにぎりを作り、楽しそうに活動していた。また、普段よりごはんをしっかり食べていた。「家でも作ってみたい」と答える児童が多数いた。「弁当箱につめよう」は、小学校3年生以上の児童生徒が、家庭から持参した弁当箱に給食を詰めて食べた。1回目は「弁当は、つめるだけでも大変だなぁ」という声が聞かれたが、回数「弁当の日」児童手作りのお弁当4年生「食育授業の様子」10PublicRelations