ブックタイトルm22_201407040000_kushima_k_h2607
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今年も市の各種がん検診が始まりましたね。皆さんのお宅にも「がん検診受診券」が送ってきましたか?当院にも多くの方が子宮頸けいがん検診に来られています。子宮がん検診と子宮頸がん検診は違うの?子宮にできる『がん』には、いくつかの種類がありますが、最も患者数が多いのは「子宮頸がん」です。子宮頸がんとは子宮の入口の部分(子宮頸部)にできるがんです。日本では毎年3千人以上の女性が子宮頸がんで亡くなっています。俗に言う「子宮がん検診」とは、この「子宮頸がん」を探し出す検診のことですので、「子宮頸がん検診」と同じ意味になります。子宮頸がん検診は、子宮の入口の部分を小さなブラシで擦って、ガラスに塗ります。診察は1分程度で終わります。後日、そのガラスを専門の人に異常がないかどうか判定してもらいます。子宮頸がんとはもともとは正常だった子宮の入口の部分がヒトパピローマウイルスの刺激を受けて形が少しずつ変わり、最終的に「がん」になります。「がん」になるまでには5年~10年かかります。この「少しずつ変わっていく段階」が「前がん状態」です。専門的には「異型上皮」と言います。「異型上皮」には程度が軽いもの(軽度異型上皮)、中くらいのもの(中等度異型上皮)、そして、重いもの(高度異型上皮)があります。高度異型上皮がさらに進むと、ごく初期の子宮頸がん(上皮内癌がん)になります。軽度異型上皮の5%、中等度異型上皮の10%、高度異型上皮の20%程度の人が将来、子宮頸がんになるといわれています。逆にそれ以外の人は「がん」にまではならないということです。注意しなければならないことは、異型上皮やごく初期の子宮頸がん(上皮内癌)の段階では出血などの症状がほとんど無いということです。検診を受けて助かった女性昨年、20代の未婚の女性が子宮頸がん検診に来られました。症状は何もありませんでした。検診およびその後の精密検査の結果は「異型上皮」でした。この段階では治療をする必要はありませんでしたが、病状が進む可能性がありましたので数カ月後に再度、検査をしました。すると最初の段階より病状が進み、ごく初期の子宮頸がん(上皮内癌)になっている可能性が出てきました。専門病院で調べてもらったところ、上皮内癌が見つかりました。幸い、ごく初期のがんでしたので、がんの部分だけを取り除く治療で完治できました。今後、妊娠、出産することも可能です。もし、この女性が検診を受けていなかったらどうなっていたでしょう。繰り返しますが、前がん状態または初期の子宮頸がんでは出血などの症状がほとんどありません。この女性が検診を受けず、出血などの症状が始まってから子宮頸がんが見つかっていたとしたら、がんが子宮の中にまで入り込んでしまい、手術で子宮を摘出しなければならなかったでしょう。そして、妊娠や出産もできなくなっていたことでしょう。検診を受けてくれて、本当に良かったと思います。子宮頸がん検診の目的は決して「がん」を見つけることではありません。この女性のように「前がん状態」を見つけることが理想です。「前がん状態」の人が全員がんになるわけではありませんが、その後に定期的な検査を受けることにより、もし子宮頸がんになっても初期の段階で見つけることができ、完治が可能です。今年はタダ!今年は20歳の女性全員および22歳から40歳で過去5年間に一度も市の子宮頸がん検診を受けていない人(一部を除く)には検診の無料クーポン券が配布されています。これは、今年初めての試みですので、最近、子宮頸がん検診を受けていないそこのあなた!ぜひ、検診を受けてください。「症状がなくても受けた方がいいですか」と聞かれることがあります。症状が出てからでは遅いのです。子宮頸けがいん検診を受けましょう!Yoshikazu Kawasaki著:串間市民病院産婦人科医師河崎良和健康マメちしきH e a l t hKnowledge15 Kushima City Public Relations, 2014.7, Japan