ブックタイトルm22_201401060000_kushima_k_h2601
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書:串間市民病院整形外科医師ふかのきつよし深野木快士このコラムをご覧になる市民の皆さまは健康が気になる年代の方が多いと思います。人間一度は死にます(その後は知りません)。死ぬまで健康でいたいと思わない人はいないのではと思います0健康の定義はいろいろあると思いますが、健康寿命というのが定義されており、生きている間で、心身ともに自立した活動ができる期間のことをいいます0日本人の平均寿命は男性約80歳女性約86歳ですが、健康寿命は約6・7年ほど短いのです。ということは、原因は千差万別でしょうが、亡くなる前の6・7年間は、他人のお世話にならなければ生きていけないということです。言い換えれば、人は平均で6・7年間は介護されるということです0『ロコモ』をご存じですか介護される原因は脳卒中が約21%、認知症が約15%ですが、膝などの関節疾患と転倒骨折を合算すると約21%と整形外科に関する疾患が要介護の原因として僅差で第2位にランクされております。ところで、皆さんはメタボはご存知と思いますが、ロコモはまだまだご存知でない方も多いと思います。メタボはお腹周りを測るなどの簡易さと、日本人のダイエットへの関心から、短期間で広く認知されました。ロコモとは平成19年にメタボの人気に乗っかって国民に広く啓蒙しようと半分バクった相乗りのアイデアです。ロコモとは、ロコモティブ症候群の略で、運動器の障害で要介護になるリスクの高い状態にある人の事を言います。メタボの認知度は95%以上ですが、ロコモはまだ20%程度の認知度です。ロコモも、メタボのように広く認知され、少しでも要介護者を減らすように運動しています。そのためには、メタボ同様簡易でなければなりません。自分がロコモかどうか、以下の7項目をチェックしてみてください。1片足立ちで靴下が履けない2家の中でつまずいたり滑ったりする3階段を上がるのに手すりが必要4青信号で横断歩道を渡りきれない515分くらい続けて歩けない6牛乳パック2個くらいの重量を持ち帰れない7布団の上げ下ろしが困難これらはチェック項目であって、当てはまる数が多いとか少ないは関係なく、1つでも当てはまればロコモなのです。まずは自分がロコモに当てはまるのかどうかというのを自覚してほしいというのが、このチェック項目のねらいです○整形外科に関する代表的な疾患当てはまる方で、年がいったから仕方がないと思っている方もおられることでしょうが、整形外科に関する疾患の、以下の3つは特にロコモに関係があり、ご自分に当てはまるかどうか確認してくださいOそれは、変形性膝関節症、腰部脊柱管狭窄症、骨粗霧症による圧迫骨折です。変形性膝関節症は、膝の軟骨が磨耗して、初期では立ち上がりや歩き始めなどの膝の痛みが特徴的で、ひどくなると痛みで歩行が困難になり、そこまで進行すると人工膝関節の手術の出番となりますが、初期の段階では、ヒアルロン酸ナトリウムの膝関節内への注射で緩和する患者さんも多数いらっしゃいます○実際当院では月間500本程度注射をしております。腰部脊柱管狭窄症とは、脊髄からつながっている神経が加齢のため周囲の組織に圧迫され、以下の症状を呈するものを言います。少し歩くと下肢がしびれや痛みで歩行困難となり、休むと症状が改善して歩行可能かんけつせいはこうになる間欠性跛行という症状が特徴的です○これには内服や点滴などで症状緩和を図り、少しでも歩行距離を延ばす治療を行っております。骨粗豪症は高齢化の現代で特に注目されている疾患で、いろいろと薬が開発されてきております。年だからと放置せずに、軽減できる症状かもしれませんので、お近くの整形外科を受診させることをお勧めします。