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概要

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著:串間市民病院内科医師鴻野一元健康マメちしき5やけどに注意しましょう糖尿病の方は、足の感覚が低下していることがあり、熱さに鈍感になり低温やけどを起こしやすくなっています。こたつや湯たんぽの使用時には十分な注意が必要です。糖尿病は、生活習慣と大きなかかわりがあります。飽食の時代であり、食事療法や運動療法を継続していくことだけでも大変であるのに、ちょっとしたヶアを怠ってしまうことによって糖尿病を悪くしてしまうことは、その後の治療や予後にも大きな影響を及ぼす可能性があります。今回紹介した方法は、少し意識するだけで、家庭で無理なく継続できる方法だと思いますので、どのような段階の糖尿病の方でも今から実践されてみてはいかがでしょうか。1毎日足を観察しましょう入浴時やつめを切るときに、傷ややけど、タコ、水虫、皮膚の変色などをチェックしましょう。異常があれば早めに担当の先生や皮膚科の先生に相談しましょう。2足を清潔に保ちましょう足の裏や指の間も丁寧に洗いましょう。洗った後は水分をよく拭きとりましょう。皮膚が乾燥し、皮膚の亀裂や肥厚を認める人は角質除去クリームや保湿クリームをぬりま3つめは正しく切りましょう伸びたつめはけがの元ですが、深つめにも気を付けてください。つめを切るときは皮膚を傷つけないようにして、つめの先がまっすぐになるように切りましょう。4自分に合った靴を履きましょう合わない靴を無理に履かないようにします。普段はほとんど意識することが少ない『足』ですが、糖尿病のコントロールが悪く動脈硬化が進行してしまうと、神経へも影響し、足の感覚が低下したり、慢性的なしびれが出現してきます。細菌や真菌といった感染への抵抗力も低下し、少しのけがでも治りにくくなってしまいます。衣服や靴によって目に触れにくいこともあり、手入れをしていれば早めに発見できるけが、やけど、タコ、ウオノメ、水虫など、発見が遅れてしまいがちです。特に高齢の方では一度足を悪くすると歩くことができなくなるばかりではなく、糖尿病が悪化し、治療困難になり、全身状態も悪化しやすくなってしまいます。また治癒しても再発率が高くなってしまいます。このため普段からのフットケアが大変重要になってきます。ここからは糖尿病の皆さまがご家庭でできるフットケアの方法について述べていきます。初めまして、鴻野一元(こうのかずもと)と申します。12月より串間市民病院の内科医の一員として勤務しております。今回このような場をお借りして、大切な病気の情報についてお知らせし、少しでも皆さまの健康のお役に立つことができれば幸いです。わが国では予備軍も含め1620万人もの糖尿病患者がいるといわれています。2015年には国民の6人に1人が糖尿病患者になるといわれています。糖尿病という病気は、ただ血糖値が上がるだけの病気ではありません。高血糖状態が長く続くと、動脈硬化が進行し、あらゆる臓器、神経への血液の循環が悪くなり、必要な酸素や栄養が行き渡らなくなり、さまざまな合併症が発症する恐ろしい病気です。なかでも今回は『足』にフォーカスをあて、お話させていただきます。