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概要

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北郷と田野の境界近くに工房はありました。辺りに民家はなく、うっかりすると見過ごしてしまいそうな小高い場所に『魚人陶房』の看板が見えます。涼しげな場所で、木原さんは無心にロクロを回していました。磁器を主として作品を作っています。隣の部屋のギャラリーには個性的な作品がズラリ。幾何学的な模様の作品も多く、磁器の白が素晴らしく生きていました。どんなところにオリジナリティーを追究していますかと、聞いたところ、「自分は研究家でも職人肌でもない。自分が持っている感性に従って作品を作っているようなものです。しかし、お客様の要求される作品を効率的に作っていくためには、イメージトレーニングは欠かしません。それとデッサンはしっかりしていきますね」と語ってくれました。白磁に興味のある方は、気軽に工房を訪ねてみてください。思いがけないすてきな作品に出会えるかもしれません。崎村さん夫妻は共に佐賀県立有田窯業大学校研究科の出身。久さんは卒業後愛知県の常滑市立陶芸研究所に在籍、常滑焼きも研究しました。澪子さんと現在の場所に窯を開いて三年。お互いに研鑽しながら、独自の陶芸を究めています。久さんはどこまでもオリジナリティーを追究し、自分だけの色を出すため釉薬の調合に苦心してきました。その結果、オリジナルの色、黒化粧、白化粧を生み出すことに成功。さらに、黒化粧に刷毛目(はけめ)の筋目を入れる技法を編み出しました。二人の作品は、土の持つ柔らかな風合いとともに、手に馴染むやさしさがあります。「環境が違ってくると火力に影響し、色に微妙に影響してくる。思った色がなかなか出ない。そこを研究の課題にしています」二人の森の中のギャラリーでは年に一回窯開きが行われ、その時は多くの陶芸ファンが訪れています。思った色を出すのに?努力の日々。?自分の感性を?信じて。?木原比佐志さん?魚人陶房崎村久さん?崎村澪子さん?陶芸スタジオ・澪窯NICHINAN45