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概要

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坂元棚田に、実りの秋がやってきました。先人が石を一つ一つ積み上げて造った棚田に、黄金色の稲穂が豊かに実っています。今では、多くの人たちの手で、棚田は大切に維持・活用され、郷土の遺産として受け継がれています。坂元棚田に、実りの秋がやってきました。先人が石を一つ一つ積み上げて造った棚田に、黄金色の稲穂が豊かに実っています。今では、多くの人たちの手で、棚田は大切に維持・活用され、郷土の遺産として受け継がれています。棚田の歴史坂元地区では、明治二十年代半ばに集落共有の茅場を水田にする計画を策定、大正十四年に耕地整理事業として着手することが決定し、工事が始まりました。水田の石積みは全て手作業で、地元住民が中心となって五か年計画で作業を行いました。昭和八年八月に約五.七ヘクタール、一一九枚の水田が完成しました。畦道の広い、馬による耕作を前提とした造りで、全国的にも類を見ない幾何学的な美しい棚田です。水田に必要な水は、小松山の中腹にある二つの谷から約五百メートルの水路を引いて確保しました。今でも小松山を水源とする清らかな水が豊かに水田を潤しています。棚田を活かして近年、中山間地区では過疎高齢化が進み、農業従事者が減少し、坂元地区でも棚田の存続が危惧されるようになってきました。それを打開すべく、平成五年、地区の住民が協力して「れんげの里づくり協議会」を発足しました。水田にレンゲの花を咲かせたり、周辺の畦や土手にヒガンバナを植えたりしています。また、「棚田まつり」も開催して、広く棚田の存在をアピールし、棚田を観光資源としても活用しています。また、この取り組みには「やっちみろかい酒谷」や、「酒谷地区むらおこし推進協議会」も参画してイベントなどの催しを支えています。このような棚田の保護・継承と農業生産活動を通して国土・環境保全、農村の美しい原風景の形成といった多面的機能を発揮する優れた棚田として評価され、「日本の棚田百選」に選ばれました。平成十四年からは酒谷グリーンツーリズム協議会が棚田オーナー制度を始めて、広く農業のあり方、棚田の魅力を発信しています。さらに平成二十年からは坂元棚田保存会を発足させ、関係団体の活動を一本化し、将来に向けた棚田の保全管理と集落活性化を図っています。美しい棚田美しい棚田◎日本の棚田百選百選◎豊かな大地を行く稲穂の輝く大地NICHINAN33