ブックタイトルm16_20120419155548_kadogawa_k_h2312
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5広報12月32009年9月から2年間、青年海外協力隊員(JICA)としてチュニジア共和国でボランティア活動に従事した清山真琴さん(須賀崎)。途上国において、障がいを持った子ども達が十分な教育を受けられない現状に、作業療法士としての経験を活かし貢献してみたいとJICAへ応募。現地では約120人が在籍する特別支援学校に派遣された。「日本では、半年検診等で、全ての子供達が適切な療育を受ける機会があります。しかし、任国ではそういったシステムはなく、各家庭で治癒を願ってお祈りをしている現状に驚きました」と赴任当初を振り返る。専門的な技術を持つスタッフは、清山さんのみであったため苦労は絶えなかった。「足に障がいのある子どもに歩行器を使いながらリハビリを行ったときは、周囲に『どうしてそんなかわいそうなことさせるんだ』と言われることもありました。リハビリをするからこそ歩けるようになるのに…」またチュニジアで多数派となるイスラム教では、家庭外での女性の活動が制限されるため、外に出歩くだけで、偏見の目で見られることも。このような状況のなか文化や習慣を理解しながら、それぞれの障がいに合ったリハビリを続けた清山さん。歩行の練習、寝返りの練習、四つん這いの練習と担当した34人の子ども達へ真剣に向き合った。するとリハビリの効果が少しずつ見え始めた。「子どもの親達から信頼され、認められ、そして相談されるようになったときは、とても嬉しかったです」と瞳を輝かせる。ニュースでも話題となったが、派遣期間中の2010年12月には、チュニジア国内で市民デモが実施され非常事態宣言が発令された。清山さんはここで一時帰国を余議なくされたが、帰国後は東日本大震災の被災地で、高齢者の問診、リハビリをおこない、そして再びチュニジアに戻り9月までの任務を全うした。日本とは異なる環境での2年間を経験した清山さん。来年2月からは、福島県の仮説住宅地で作業療法士として訪問リハビリの仕事が決定している。最後に「チャンスがあれば、もう一度リハビリ医療が整っていない国へ行き、将来的には日本のようなシステムを築きあげることに携われたらいいなと思っています」とグローバルな目標を話した。途上国のリハビリ医療発展のために清山真琴さん青年海外協力隊員青年海外協力隊JICA(独立行政法人国際協力機構)が実施するボランティア事業。現在世界の開発途上国など74カ国で約3200名の隊員が活動中。↑任地は、首都チュニスから南西へ約300kmのフェリアナ市。リハビリ効果の高い乳幼児を中心に担当した。チュニジア共和国首都:チュニス人口:1043万人言語:アラビア語