ブックタイトルm16_20120419155101_kadogawa_k_h2309
- ページ
- 16/22
このページは m16_20120419155101_kadogawa_k_h2309 の電子ブックに掲載されている16ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは m16_20120419155101_kadogawa_k_h2309 の電子ブックに掲載されている16ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
m16_20120419155101_kadogawa_k_h2309
幕府の巡見使の往来~その14~巡見使の質問は、藩の林業、鉱業にも及ぶもので、その質問に対する回答も用意されていました。建築材料である柏、楠、杉の大木についてお尋ねがあった時は、「小木はございますが、大木はございません。その3種の木は、藩の御留木(伐採が禁止されている木)となっております。」と申上げるよう示されていました。また「材木としては、何の木を切り出しているのか」とお尋ねがあった時は、「松、樅、栂、その他雑木を切り出しております。(もう近くの第62回山では、それらの木は少なくなり、)遠くの山でしか切り出すことができなくなったため、たくさん切り出すことはなく、川筋の近くで(切り出すのに)都合のよい場所から少しばかり切り出しています。もっとも檜はありません」とお答えするようになっていました。現在の山は、ほとんどが杉山になっていますので、今では、想像できないとは思いますが、江戸時代の山の様相は松が主でした。松は根から葉まで捨てるところのない用材でした。また、生活のあらゆる場面で様々な用途の木材が使われており、山には、いろいろな種類の木がありました。しかし、この文書が書かれた天保九年ごろには、柏や楠、杉などの大木は、少なくなっており、藩は、これを御留木として伐採を禁止し、保護していました。その他の松や樅、栂などにしても近くの山には少なく、遠くの山から切り出すしかなく、産出量は少なくなっていました。巡見使に対して、やや控えめの回答になっているとはいえ、近隣の山林に木が減ってきている状況が伺えます。古文書を読む可申上事最檜木者無御座候旨宛仕出御座候段与路敷場所より少々仕出無之川筋最寄よろしき出難成候故過分之最早遠山ニ罷成仕木材木仕出申候御答松樅栂雑御尋之節一、材木何木を仕出候哉候段可申上事無御座候御留木ニ御座御座候得共大木者御答右三品小木者一、柏楠杉大木御尋之節?略?勝蓮寺の天井画第45回シオンニガウリ広報9月16