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町立病院健康だより今号のテーマ乳がんについて(マンモグラフィー検診のおすすめ)都農町国民健康保険病院立野進院長宮崎市生まれ。昭和49年鹿児。島大学医学部卒業後、開学したばかりの宮崎医科大学第一外科に入局。大学病院、古賀病院、藤元病院(都城市)、県立宮崎病院などで勤務。平成9年4月から都農町国民健康保険病院院長。宮崎県国保診療施設連絡協議会副会長。西都児湯メディカルコントロール協議会会長など。趣味は、スポーツ全般(近頃は体がいうことをきかない)、お笑い、音楽何でも。有名なハリウッド女優、アンジェリーナ・ジョリーさんが乳がん遺伝子BRCA1が陽性たったために、予防的な乳房切除と乳房再建をうけたという話題をご存じの方は多いと思います。彼女の母親とおばさんがともに50~60歳代で乳がんで死亡しており、彼女の場合乳がんになる危険性が87%、卵巣がんになる危険性が50%と医師から告げられたことで、手術を決意したと報じられました。このように欧米では乳がんは女性にとって極めて恐ろしい病気と認識されています。乳がんの罹患率はアメリカで女性8人に1人。日本では16~18人に1人と人種による差があります。しかしながら生活習慣の欧米化により、日本でも徐々に乳がんは増えており、年間5万人が罹患し1万3千人弱が亡くなっているのです(女性のがん死では第1位です)。日本で乳がんが発見される方は40~50歳がピークですが、若い人やお年寄りにも見つかることがあります。ちなみに当院でも今年3~4人の発見がありました。日本乳がん学会の診療ガイドラインによると、乳がんリスク因子として確実なものは、乳がん家族歴、出産・授乳の少ないこと、良性の乳腺疾患の既往、閉経後の肥満、ホルモン補充療法、さらにほぼ確実なものは、早い初経、アルコール摂取があげられています。乳がんと診断された場合の治療法は手術がメインです。乳房の切除(全部あるいは部分的)と以前は必ず腋窩(えきか)のリンパ節郭清を行っていました。そのため術後の合併症としで腕の腫れが生じることもあったのですが、今では術中の判断でやったり、やらなかったりです。手術後の検査で乳がんの性質や進行度を調べて術後療法を細かく決めます。ホルモン療法、化学療法、放射線療法などがあります。(以下「マンモグラフィー検診のおすすめ」につづく)歯医者さんからのアドバイス今号のテーマ歯磨きと「食道がん」愛知県がんセンター研究所のグループが、がん学会で発表した疫学研究の報告をご紹介いたします。この疫学調査は、同センターを受診した人の中から、口の中や喉などの頭頸部がんと食道がんの患者計961人と、がんでない2883人に、歯磨きや喫煙、飲酒などの習慣を聴きとったものでした。対象者の年齢は20~79歳で、平均は61歳。集積したデータを解析した結果、1日に2回以上歯を磨く人は1回の人に比べ、がんになる危険性が約29%低く、まったく磨かない人の危険性は2回以上磨く人の2.5倍でした。喫煙や飲酒をする人だけの解析でも同様の結果で、歯磨きの習慣がないことは、他の危険因子と関係なく独立したがんのリスクであることを強く示しているとのこと。研究班によると、理由は「口の中に、アルコールからアセトアルデヒドを作る細菌がいるから」。アセトアルデヒドは、アルコールの最初の代謝産物。発がん物質で、食道がんや喉頭がんのリスク因子の一つなのです。●飲酒しながらのタバコは絶対にダメちなみに、お酒を飲むと、アルコールが肝臓で分解されてアセトアルデヒドがつくられます。この物質が血中を回り、喉頭や咽頭、食道などの粘膜を傷つけ、これらのがんを発症する要因になります。アセトアルデヒドをつくる細菌も口腔内のアセトアルデヒドも、歯磨きすることによって洗い流されるということのようです。このことからも、歯をよく磨くことの重要さを認識してほしいものです。しかし「歯を1日に何回も磨けば、お酒をいくら飲んでも食道がんになる心配はない」ということではありません。お酒をよく飲む人の中でも食道がんになりやすいのは、遺伝的に元々あまりお酒を飲めないタイプの人が、飲酒経験を積んで飲めるようになり、多量の飲酒が常習化しか場合といわれています。また、タバコはがんを発症するリスク因子であることからも、お酒を飲みながらタバコを吸うのは絶対にダメです。それとは別に、歯磨きは最低でも朝、晩(就寝前)の2回行いたいものです。黒木康夫歯科医院黒木康夫院長宮崎市生まれ。昭和63年3月中町に歯科医院問業。西都児湯歯科医師会副会長。冨崎県歯科医師会常務理事。趣味は、学生時代はワンダーフォーゲルに所属。九州の山々やアルプスの登山暦あり。久住や霧島の山々、もちろん尾鈴山がフィールドです