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概要

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今月のテーマ都農町国民健康保険病院立野進院長【profile】宮崎市生まれ。昭和49年鹿児島大学医学部卒業後、開学したばかりの宮崎医科大学第一外科に入局。大学病院、古賀病院、藤元病院(都城市)、県立宮崎病院などで勤務。平成9年4月から都農町国民健康保険病院院長。宮崎県国保診療施設連絡協議会副会長。西都児湯メディカルコントロール協議会会長など。趣味は、スポーツ全般(近頃は体がいうことをきかない)、お笑い、音楽何でも。都農町で救急車のサイレンを聞かない日はないように感じます。私はあの音が好きではありません。医者暦40年経ちますが、あの音を聞くと緊張しますし、何より心臓によくありません。児湯郡を管轄する東児湯消防本部の救急車出動は、年間約3,000件、町内では約500件で、年々増加傾向にあるそうです。当院では、年に約300件の救急搬入と他院への救急車搬送があります。町内で唯一の救急告示病院で夜間に医師がいるので、できるだけ救急症例や患者は断らないように対応しているつもりです。そのためか、受け入れが困難だと高鍋・川南町から搬送される事もあります。できれば地患地療でお願いしたいのですが、お互いさまというところでしょうか。その他、時間外や休日、当番医など、年間1,000~1,500人の急患診療をしています。救急で一番重篤なのは心肺停止です。心臓が止まって血流がなくなると、8~10分で脳に不可動的な変化が起こり、たとえ蘇生しても脳の機能がだめになります。心肺停止の多くは高齢者や合併症の人ですので、手を尽くしても蘇生できないことが多いのですが、まれに日常生活に戻れるほど回復する人もいます。それは心肺停止の瞬間を目撃した人が、一時救命処置をした場合です。救急車が到着する間に心臓マッサージやAED、異物を取る処置が必要です。最新の心肺蘇生法では、心臓マッサージを絶え間なく続けることが一番重要と改訂されました。具体的には胸の真ん中を1分間に100回のペースで、胸壁が5cm程くい込む強さです。実施するのは、非常に勇気がいりますが、ちゅうちょ大事な命を救うのに躊躇はできません。各地域で訓練する事を勧めます。今後地震災害が予想されていますが、その時も、子どもから大人まで、全ての人が救命救急処置のできる都農町であったらいいなと思っています。今月のテーマ五感を使って「よく味わう食事」は脳トレ!「よく噛むことは身体にいい」と昔から言われますが、これは単に食べ物が消化しやすいからだけではありません。実は、噛むことには五感を刺激する働きがあり、脳のトレーニングにもなることが注目されています。噛むことは顔全体から頭、舌、首、肩まで多くの筋肉が総動員されますが、それらをコントロールするのが脳です。食事のとき手指や口、顔の筋肉をしっかり使えば、それだけ脳に送る情報が多くなり、その情報が多ければ多いほど、脳の働きが活発になることがわかりました。つまり脳の運動野だけでなく、感覚を受け取る部分(感覚野)も強く活性化されることになります。五感総動員の食事とは?「視覚」は目で器や料理の盛り付けを楽しみ!「臭覚」は鼻で食べ物の香り楽しみ!「味覚」は舌で美味しい味を楽しみ!「聴覚」「触覚」は歯や口腔粘膜で歯応えや舌ざわりを楽しみ!家族や知人と食事をすれば、楽しく会話を楽しむこともできます。ただし、これには丈夫な歯や義歯でしっかり噛んで、十分に味わうことが条件!五感が十分に使用されない早食いや孤食は「脳を使わない食事」ということになりますね。黒木康夫歯科医院黒木康夫院長【profile】宮崎市生まれ。昭和63年3月中町に歯科医院開業。西都児湯歯科医師会副会長。宮崎県歯科医師会常務理事。趣味は、学生時代はワンダーフォーゲルに所属。九州の山々やアルプスの登山暦あり。久住や霧島の山々、もちろん尾鈴山がフィールドです。2014. 3 22