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概要

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宮崎日日新聞社都農支局長として、都農町で3年間を過ごした鳥原章弘さん。記者の視点から、本町はどう映っているのでしょうか。まちの可能性について、鳥原さんに話を聞きました。地域自慢あふれ魅力的な町郷土愛と向上心で資源生かしてJournalist's voice春は立野の梅に不動公園の桜、夏は都農神社夏大祭に清流名貫川での川遊び、秋には尾鈴山の紅葉が楽しめ、冬は地域の伝統行事が隆盛だ。事務所に保管する新聞記事のスクラップをめくりながら、この3年間で触れた都農町の空気を心地良く回想している。赴任前、申し訳ないが、好感度に乏しかった都農町。だが、一町民となると、まったくの見当違い。ここには豊かな自然や郷土愛あふれる町民性が織り成す人情味、四季折々の豊富な食材や伝統を重んじる風土と、他の市町村に誇れる地域自慢が数多くある。カメラのシャッターを切りペンを走らせたすべての日々が心に残る。中でも地域で脈々と受け継ぐ伝統行事は印象深い。時代の流れにより存続には労力を要すが、地域を守る高い意識と連帯感で継承する人々の姿は都市部では忘れ去られた心温まる絆で、現代社会が懐かしみうらやむ光景だろう。有り難い事に私生活でもどっぷりと溶け込ませてもらった。消防団に加わり、地区の育成会長として夏祭りに携わり、地元の野球チームにも加わった。いずれも気持ちよく迎え入れてもらい、この時ほど人情味の厚さを感じたことはない。このほかのあらゆる場面でも宮日の記者としてだけでなく、一町民、仲間として接してくれたことがうれしい。自然も食も人も、こんなに魅力あふれる町なのに、消極的なのか、慎重なのか、チャレンジ精神に欠ける面があり、町の活力の高まりが見えない。「足引っ張りが多い」との声もよく耳にした。惜しい気がしてならない。だが、発想を転換すれば、それだけ可能性を秘め、郷土を思うさまざまな声もあるということであり、「都農が好き」という思いでは全町民がつながっているのではなかろうか。それだけに、近年人気のスローライフを求める都市部の人々を引き寄せそうな多くの可能性を、一歩踏み出すことで形にしてほしい。他の地域にない町づくりが展開できるのではと思っている。国の道の駅事業と連動させた「にぎわい拠点」整備もその一つ。賛否両論あろう。将来の町財源が不透明な中で運営面の不安や事業の進め方に不満もあろう。かといって挑戦しなければ町衰退の影もちらつく。難しい局面だが、事業化が決まった今、あえて言えることは「賛成」とまではいかなくとも「理解」は必要だろう。将来、町民の重い負担とならないためにも、前述の郷土愛で一丸となり、町のすべての魅力を発信する中継基地のような施設を構築し、交流人口拡大の拠点を目指すことが大切になる。助言するなら宮崎日日新聞社都農支局長鳥原章弘さんTORIHARA AKIHIRO【Profile】昭和49年西都市生まれ。平成4年宮崎工業高校卒業。同年、宮崎日日新聞社入社。制作部、編集整理部、編集運動部を経て、平成21年から24年3月まで都農支局長。4月から編集整理部次長。ば、直売所に並んだ農水産物の生産者の顔が鮮明に見える運営方や歴史的価値の高い都農神社と連動した神秘的な催し、広場を活用した食にまつわるイベントだろうか。記者としても人としても大きく成長させてくれ、人生の貴重な1ページを刻み込めた3年間。立場は変われど、この町の魅力を多くの人々に広め、「第二の古里」へ精いっぱいのエールを送り続けたい。頑張れ都農町。◆支局長が選ぶ都農の誇れるものベスト2◆人…寄り添おうとすれば、快く仲間として輪の中に迎えてくれる。そんな人情味の厚さは酒の席ではさらに格別。幾度となく、「都農に住めて良かった」と感じ、心温まる充実した時間を過ごせた食…夏はブドウに冬はトマトや金フグ…。年間を通じて豊かな自然がはぐくむ海と山の恵みにあふれ、食材の豊かさでは県内でもトップクラスだ。「食の町」を十分に自負できるだろ▼▼2012.312