ブックタイトルac_cho_0008-3_takanabe
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世御定治相成る可く、付ては格禄返上願出候向も、別段御沙汰これ無く候。以来尚更上下合体、朝命体認し奉り、万事費用を省き、何事も実地に相基き、益々皇国の御威光世界に耀き候心掛け第一に相成度く思召候(続々実録、巻之十五)かねてこうなることを予期していたから、さしたる混乱はなかったが、将来の見通しがきかないだけに不安の念は強かった。高鍋藩では古くから諸役には、請込とか都合といって職制の改革職務の分担が定められていたが、区分の不明のところや脱漏もあるところから、文久三年に職制改革のための整理を行い、これを担当した城勇雄がこれをまとめて「藩官擬典」を作成していた。そこへ新政府は各藩の職制が区々であるのを統一する必要から、明治元年十月、落治職制を定め、執政・参政・公議人を置き、藩主の家事は藩政と区別して家知事を置くこととしたため、高鍋藩では明治二年六月に、政府の示した藩治職制と「藩官擬典」とを参酌して藩職制を改革した。その概略を挙げると次のとおりである。家老・用人・奉行・大目付の役名を廃して執政・参政・公議人とし、門閥にかかわらず人材を登庸し、公議人には参政の一人がこれに当たり、政府の指示に従って公議所の議事に参画し、藩政は、宰判所・神祇局・会計局・民政局・兵賦局・刑法局の一所五局となし、それぞれ知事・副知事を置いた。藩主の家事は、落政と区別して内務とした。職掌などは次のとおりである。近第4編宰判所職掌藩政の大綱を総括し、衆議を取捨し、諸局の紀綱法度を立ただちゆっちょ〈て、役人の邪正貧廉を札し、進退鮒捗する事は、朝廷の議政官と同様である。諸局において専ら主宰するところのない諸願、伺、届は当所で宰判する。298隠居、家督、才能改め等すべて格禄に関する事を沙汰する。神祇局附制度寺院知事一名(城勇雄)副知事二名(団井誠助、石井卓巳)判事無定員職掌山川、神紙、宗廟の祭記を奉じ、吉凶諸礼、式服、暇の軽重、衣食住、上下尊卑の制度を沙汰し、傍ら学制を掌り、勅書、天盃初め、秋月家伝来の重宝並びに諸記録を支配し、寺院、能、狂言の事を兼ねて掌る。会計局知事一名(水筑小一郎〉副知事二名(神代彦助、産物計武藤東四郎、財津十太郎)判事無定員金穀出納、御内証一切、諸産物、普請方、細工方の事を掌る職。掌民政局知事一名(会計知事兼任)副知事二名(会計副知事兼任)判事無定員職掌藩民の生産、田野、山川の制度を沙汰する事を掌り、道路、井手、川除、新田、掃除方を兼ね、封境の事を掌り、旅行の者へ通行切手を出す。兵賦局知事一名(黒水鷲郎)副知事二名(武藤東四郎、財津十太郎〉判事無定員職掌軍事一切、隊、屯、操練、武術、武器の事を掌り、馬政を敷き、賞典を調べ、兼ねて行列道具、船手の事を沙汰する。