ブックタイトルac_cho_0005-3_takanabe

概要

ac_cho_0005-3_takanabe

世大蔵大輔井上馨宮崎県設置につき至急県庁を建設する必要があり、許可を得て取りかかるのが当然であるが、遠隔の地で文書の往復に時日がかかるので建設を始め、詳細な計画などは追って提出する、と届け出たところ、許可を得ないで取りかかるのは不都合である。計画と予算に図面を添付して伺い出よと大蔵省の指令があったのである。その指令が到着しないうちに次の文書を送り、旧高鍋域内の建物の利用を申し出ている。県庁造営一一付伺今般県庁造営ニ付諸材木等新-一伐出シ候而者入費莫大相掛且時日モ遷延ニ可及候処幸ヒ旧高鍋県域内江別紙絵図面通之旧県庁有之右ヲ引移候得者運送之便利モ宜敷彫刻之費ヲ省キ候而己ナラス造営モ速-一出来可申候然ルニ右ハ陸軍省御所轄-一テ先般御見分之上既ニ入札払之運ヒニ相成候間何卒同省江御掛合之上御指支無之候ハ、其偉御(値)譲リ相成候様仕度則別紙絵図面並入札直段付相添奉伺候間至急御指図被成下度此段申達候也明治六年二月十八日近第4編宮崎県権参事右県参事上村行徴福山健偉大蔵大輔井上馨殴(本文三月十日有川持参上野景道落手相成候事)(値)とあって次の絵図面と旧高鍋県庁入札直段(付)が添付されている。絵図面によって解体前の藩庁の状況を知り得るが、さきに掲げた萩原の大工棟梁、荒川伊平の平面図の本丸政庁図とほとんど同様である。旧高鍋県庁入札直段付壱番棟代金拾七両壱歩ハ虫損〉全拾口両弐歩弐朱萩原8栄一二番棟代金弐拾三両弐歩右同勝太郎人エ弐拾弐両弐歩弐朱右同栄蔵三番棟高鍋町勝太郎蔵148(以下不明)指メ入TJ書面旧高鍋域内之古庁引移其県庁ニ改築之儀ハ建坪百七拾六坪余之目的ヲ以仕様入費積取調絵図面相添更ニ可伺出事明治六年三月廿三日馨大蔵大輔井上すなわち、高鍋城内の建物二八七坪をもって一七六坪余を改築する目的で計画し、経費見積に絵図面を添付して伺い出よというのである。しかしこれについて計画書・経費・絵図面も見当たらず、どのように取り計らわれたか不明であるが、庁舎は明治七年五月許可を得ないまま落成して移転し、同年十一月十四日、文書で爾後承認を求めている。ん、高鍋城の利用は実現しなかったものであろう。たぶ